Review
VERY-Q内に作業スペースを構築!91cm四方のスタジオの中身に迫ります![Vol.02]
VERY-Q内にスタジオを作るという斬新な発想のもと始まった「91cm四方の世界最小のスタジオ構築」。
前回はVERY-Qの導入から組み立てまでをレビューして頂きました。
VERY-Q内に作業スペースを構築!91cm四方のスタジオの中身に迫ります![Vol.01]
Vol.02となる今回はVERY-Qの中にどのような機材を配置していったのかを解説して頂きます。
91cm四方と決して広くはない空間の中で作曲からミックスまでを行うAccky氏。その無駄のない機材配置のノウハウを余すところなくお伝えします!
※VERY-Qってなに?という方はこちら
[ Accky (アッキー) ]
シンガーソングライター。
楽曲の作詞作曲、アレンジ、ミキシングを全て自身で行っている。
個人の活動以外に、他アーティストのアレンジ、BGM制作も行っている。
機材の選定 ~限られた空間で全作業を行うための機材選択・配置~
ー今回はいよいよVERY-Qの中身に入って行きたいと思います。
VQP-910 VocalBoothSetはボーカル録音に適したサイズの製品であり、中で作業をするというケースは恐らく想定されていないのではないかと思うのですが、91cm四方というサイズに作業スペースを構築する際に気をつけた事などはありますか?
Accky-
まず、ほぼ90cm四方で全ての環境が整うように自分と機材のスペースを決める必要がありました。
今回は以下のようにスペース配分を決めました。
機材のスペース … 約35cm / 自分のスペース … 約55cm
ー自分の居場所、つまり作業が出来るだけのスペースから逆算して機材の奥行きを設定したんですね。
Accky-
そうですね。ここから、そのスペースに合わせて手持ちの機材を配置・新調していきました。
デスクはホームセンターなどで売られているスチールラックを使って3段構成にしています。
参考までに、スチールラック天板の寸法です。
格段の間は設置機材に応じて高さ調節していくと良いと思います。
1段目 … 幅90cm x 奥行30cm
2段目 … 幅90cm x 奥行20cm
3段目 … 幅90cm x 奥行20cm
ーVQP-910 BoothSetは高さが212cmあるため、上の空間を使った配置が鍵となりそうですね。
それぞれの3段はどの様に機能しているのでしょうか?
Accky-
はい、まずこちらが今のところの機材リストになります。
スチールラック1段目 MIDIキーボード:M-AUDIO Axiom Pro 49
スチールラック2段目 PCモニター:MITSUBISHI Diamondcrysta RDT231WLM
オーディオI/F:Avid Mbox
モニタースピーカー:FOSTEX PM0.4n
スピーカースタンド:IsoAcoustics ISO-L8R130
PC用スピーカー:SONY SRS-M50
チューナー:Roland VT-12
スチールラック3段目 マイクプリアンプ:DBX 286A
パワーコンディショナー:Furman M-8×2
スチールラック下 マルチエフェクター:Line6 POD HD300
その他 コンデンサーマイク:Violet Design The Black knight
ポップガード:SE Electronics Pop Shield
マイクスタンド:K&M 26020
ギター用ハンガー:ZENN ZGH1
Accky-
まずはスチールラック1段目について。
手持ちの機材で一番横幅が広かったのがこのキーボードでした。
他メーカーでも、49鍵ぐらいまでは入るかと思います。
ーそうですね、AXIOM Pro 49は81cm(幅) x 28.5cm(奥) x 6.6cm(高)と奥行きこそあるものの横幅に関してはその他の49鍵に比べても平均的なサイズです。
奥行きが短いものだとRoland A49、Keystation 49esも幅80cm程度ですので、設置出来るかと思います。
Accky-
続いてスチールラック2段目ですが、この段が一番苦労しました。
PCモニタの左右スペースに収まるモニタースピーカーは見つかったのですが、 ラックの角が少し高くなっているため、スピーカースタンドを自作するにしても、レンガなどの定番のアイテムだとサイズオーバー気味 & 安定しにくいという事に…。
ここでIsoAcoustics ISO-L8R130を紹介頂いて問題は解決。
音質はもちろんの事、見た目にも納得の行く設置ができたと思います。
ー当初スピーカースタンドはDIYで、という話もありましたが、結局は既製品に頼った事で最も良い形に収まったと思います。
Accky-
また、今回構築したスチールラックの柱ですが、基本的に2段目移行は奥の2本だけで天板を支えています。
2段目に関しては支えの補強が必要だと感じたので、純正ポールを追加し、高さが足りない分はホームセンターで購入したゴム足で前面の支えを入れています。
ーこの2段目はかなり綿密に計算されて設計されているんだろうという事が写真から伝わって来ますね。
最後の3段目、一番上の棚はどのような構成ですか?
Accky-
この段はラックマウント系を中心に配置しています。
今はラックケースを使っていないので、ラックの間には耐震のゴムマットを敷いてズレを防いでいます。
ー3段目は今後ラック機材が増えた時にケースをどうするかがネックになりそうですね。
ラック機材は奥行きもまちまちなので、重量の他に奥行きが制限となる可能性もあります。
Accky-
はい、今後増える機材については、その時々で考える必要がありそうです。
当初はAPI500フォーマットモジュールもご紹介頂きましたが、残念ながら予算との兼ね合いで今回は導入を見送りました。今後この環境をバージョンアップしていく際には是非導入を検討したいですね。
ーさすがにVERY-Q内ほど限定的な状況はあまり見掛けませんが、省スペースかつ高音質として500シリーズは好評ですよね。可搬性の高さも魅力のひとつ。それに、ガジェット好きにはたまらない見た目をしているので、こうした秘密基地的な空間にはより適している気がします。
Accky-
また、「ギターも中に置けないかな…」と考えていたところにマイクスタンド用ハンガーを見つけたので設置しています。
ーマイクスタンドの選定にも少しこだわりましたよね。
床部分も壁と同様に柔らかめの素材であるため、どちらかと言えば通常の三つ足のモデルの方が安定性という面では良いのです。ですがそれではスペース的に難しいので、今回は省スペースかつ安定性のあるK&M 26020を導入頂きました。
Accky-
26020のポールがそれぞれ可動するので、ギターを使わない時は回転させて収納モードにしています。
ーこれは良いですね!
最悪ギターごと倒れてしまっても、VERY-Qの壁側に倒れる形になるのでギターにもマイクにもダメージがなさそうです。
Accky-
はい、機材の選定と配置についての現状はこの様な形になっています。
まだ空きスペースがあるので、思った以上に機材は入りそうです。
次回はいよいよブース中で過ごしてみた結果をご紹介します!
ーAcckyさん、ありがとうございました。
これだけ詰め込んでもまだ余裕があるという事で、更なる発展にも期待が出来ます。
アイディア次第でいかようにも変化するVERY-Q、あなたはどのようにアレンジしますか?
引き続き次回、実際の使用感についてのレビューをお楽しみに!
なお、今回の記事で登場した製品はこちら。
VERY-Q/VQP910-Vocal Booth Set
FOSTEX/PM0.4n
IsoAcoustics/ISO-L8R130
API500シリーズ一覧
>> Vol.03へ
■担当:神山 取材協力:Accky(アッキー)氏
■メーカーサイト
https://very-q.jp/
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