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Linksシリーズ『モジュラーシンセ座談会』
「人と音楽をつなぐ」をテーマに話題の製品をアーティストともに展開するLinksシリーズ
今回は『モジュラーシンセ座談会』第1弾ということで、宮地楽器を中心に仲良しのミュージシャンに集まって頂きました!
「既にモジュラーシンセを使っているクリエイター」と「興味があるけどまだ導入していないクリエーター」の対談を通して、モジュラーシンセに対する「難し そう、高そう、マニアック…」みたいな垣根を壊して、「モジュラーシンセってそんな感じなんだな~」っていう、ただのひとつの楽器なんだと感じて頂ければ なと思っております。
モジュラーシンセサイドから、ベン・イセイさん、Z-Hyperさん、電子海面の深澤さん。
クリエイターサイドから、Mergrimさん、34423(ミヨシフミ)さん。
宮地楽器からは私、澤田でお送りします!
はじめに実際にモジュラーシンセとはどのように音を鳴らすものなのか実演してもらいながら、モジュラーシンセサイドの方々が所有しているモジュールを囲み色々話を伺いました。
宮地楽器(以降、宮):早速ですが、皆さんのモジュラーシンセに対するイメージを探っていきたいと思います。
Mergrim(以降、M):前々から興味はあって、すぐにでもやってみたいんだけど…シンセが多少触れれば、オシレーターだ、LFOだっていうのは流石にわかるけど、じゃあどっから買っていけばいいのって?
34423(以降、3):そこが一番ですよね~。どの電源を買っていいのかすら分からない…
宮:そういうところですよね~。やりたい人は多いのに始めるハードルが若干高すぎるのかなって。早速、ベンさんのシステムの周りに集まっていろいろ触ってみましょうか?「モジュラーってこういうもんだよ」って感じで、軽くモジュってもらいましょう!すごい無茶振りですが(笑)
ベン・イセイ(以降、ベ):多分ね、そういう言い方をしちゃうから難しくなるのかもしれないんだよね。基本的にはまず「何をやりたいか?」で揃えるモジュールとかが、全く変わっちゃうから。だからまずそこを明確にした方が良いかな。後、おそらく何も知らない人が陥りやすいのが、周りでモジュラーシンセを持っている人ががっつりセットを組んじゃってるから「いっぱい買わないと始められないんじゃないかな?」ってところだと思うんですね。例えば、DJなら音を突っ込んで音に変化をつけるものだけでよかったりするわけでしょ?だから1個2個のモジュールでよかったりするんですよ。そこら辺はウーリーズに行けば、しっかりと教えてくれるし。シンセの基本って電気じゃない?周波数をあげて可聴域にすれば音になるし、それより下の低周波にすれば音を動かす為の信号になる。大きく言ったらその2つなんだよね。
宮:「音を出す」と「音を動かす」の2つですね。
ベ:「音を出す」オシレーターと「音を動かす」CVの2つでしか捉えてなくて、それで何をしたいかって考える。例えば、DJで自分が欠けている音に何か音を足したいなら、エンベーロープフォロアーってもので…
宮:すいません。エンベーロープフォロアーって、初めて聞いたんですが、何をするモジュールですか?
Z-Hyper(以降、Z):音量をCVに変えるモジュールです。
宮:あ、その前にCVとGATEって信号があるんだよね。まず先にそれぞれの説明を軽く聞きたいです。
Z:CVはコントロールボルテージの略です。LFOを例に説明するとCVは段階のない滑らかな信号で、これを可聴域にするとポーっていう音がでる。これをVCOにいれると、LFOのサイン波やノコギリ波の形で音程が動きます。 LFOとは、周波数の低いオシレーター(ローフリーケンシー・オシレーター)なので、LFOも速くすればオシレーターになり音となります。
ベ:基本的に名前に「O」って入ればオシレーターなんだよね。
(VCO=ボルテージコントロール”オシレーター”,LFO=ローフリーケンシー”オシレーター”)
Z:音含めて出力しているものは全て「CV」と言ってしまえばCVです。
いまは例としてLFOをCVとして説明しましたが、電気を出力していれば音含めてすべてCVです。
その中で「GATE」とは一定のCVの変化です。鍵盤でいうと打鍵するしないをコントロールするイメージです。CVが滑らかで無段階な信号等全ての信号を指すのに対して、0か1かみたいな2つの変化しかしない信号がGATEです。言葉通り門を開けたり閉めたりっていう感じです。
宮:ここからZ-Hyper氏のシステムを囲みながら、他にはどんなモジュールがあるかを見てみましょう!
Z:これは、同じ信号を分岐する為のマルチプルというモジュールです。電源タップのイメージが近いでしょうか?
これは自作ですが、既製品でももちろん販売されています。ここの細いジャックが8つ並んでいるヤツはIntellijelというメーカーのBuff Multという製品です。1つのLFOやシーケンサーから複数箇所に同じCVを送りたいときに使います。
宮:オシレーター・LFOときたら、次はVCAかな?
Z:そうですね、オシレーターは基本的に音が出っ放しなので、音を出したり出さなかったりをコントロールするのが「VCA」です。つまみがフルで音量全開で、絞りきると音が鳴りません。
ここでVCAにある「CV in」にLFOから信号を送ると、LFOの速さと波形の形でボリュームの上げ下げが行われて、いわゆるトレモロのような感じになります。
Z:LFOでやるとこんな感じですが、このLFOの矩形波でエンベロープをトリガーすると、エンベロープの設定で音の変化のアタックやリリースを調整できます。
M:ノートを吐き出してるってこととは違うんですか?
Z:同じです、一つの音程の鍵盤をLFOの速さで繰り返し叩く感じです。今は音程に関してはオシレーターのピッチツマミで決めた音程でしか鳴りません。これでは味気なく発音の度に音程を変えたくなる、そこでシーケンサーの出番です。これはMi-Ko-Cという3・5・4とステップ数を切り替えられるシーケンサーモジュールです。
このシーケンサーだけではテンポを決めて自動でステップを移動させることができないので、今発音に使っているLFOの出力をマルチプルで分岐して発音と同じタイミングで音程が変わるようにします。
宮:3・5・4ステップでMi-Ko-C(ミコシと読みます)なら、344(ミヨシ)ちゃん専用に344ってモデルを作ってもらおうか(笑)
一同:(笑)
Z:オシレーター、VCA、エンベローブ、シーケンサー、LFO、そしてマルチプルがシンセとしてフレーズを鳴らせる最小構成ですね。
宮:これにオシレーターがもう一つ色あれば2VCOにできます。そうなると、VCOをまとめるミキサーが必要で~って、感じでモジュラーラックがどんどん埋まっていくんですね!)
Z:そうです。同じシーケンスフレーズをユニゾンで鳴らしたければ、シーケンサーからのCVをマルチプルを使って信号をそれぞれのオシレーターに分岐させて送ります。2つのオシレーターのピッチインターバルを5度に合わせれば、コード感が出てきます。
M:お~!ホールデン(ジェームス・ホールデン)っぽくなって来た!
Z:さらに出力との間にリバーブやディレイのエフェクトを挟むと一気に雰囲気が出ます。
宮:後、よく使われるモジュールで「クロック」があったと思うんですが?
Z:クロックは今鳴らしている中では、さっきのシーケンサーを動かしていた一定の周期の矩形波です。シーケンサーの動くテンポを決めるため便宜上クロックという名前で呼んでいますがGateのように2つのレベルの信号をだすCVです。一定じゃない速さの、リズムみたいなGate信号もシーケンサーを動かすのに使っていればクロックと呼べます。
宮:クロックの信号を1/2とか1/4にするモジュールもありますよね?
Z:クロックディバイダーですね。入力されたクロックに対して分割されたスピードの信号を送れます。これを別のオシレーターに振り分けることで、リズムを組むことも出来ます。4分の1の出力を使えば4つ打ちのキックを簡単に鳴らせます。
M&3:お~!!面白くなってきた~!!こういうの(笑)
宮:二人ともクロックディバイダーの存在は知らなかったでしょ?
Z:クロックディバイダーは入力された信号の速さを分割して出力するモジュールなので、VCOの矩形波を入力すると入力周波数の半分、半分の半分という形でサブオシレータの様に使うことができます。
一同:お~!
宮:他にもサンプラーがあったりと…皆さんハマってきたでしょ?(笑)
この後、Mergrimさん&34423さんが、本日習ったことを実践してみました!
ベ:今触ってた様に、音を鳴らすだけならすぐできるんですよ。穴にケーブルを挿せば鳴る。
M:そこなんですよね。逆にここに挿せばこうなるとかが全くわからない…
ベ:それでいいんですよ。僕の場合、時間があるときにいろいろ挿してみて、その変化で面白かった設定をどんどん自分の中に蓄積して行く感じですね!Z君は逆に理系なので、電気的に理解して繋いでく感じだもんね。
宮:このお二人のライブのスタイルが面白いくらい違うんですよ!ベンさんは譜面におこして曲を構成されるタイプなので、音の調性が素晴らしくて世界に飲み込まれる感じで、Z君の場合はスタートにはケーブルが何も挿さってないところから徐々に組み上げていく面白さがあるんですよ。
3:やっぱり触る人によって全然違うんですね~。Liveが見てみたいな~~!!
実機を触りながらのデモンストレーション後に
宮:ベンさんや深澤さんがモジュラーシンセを始めたきっかけを教えてください。
ベ:僕は原点に戻ってきた感じかな。もともとシンセに出会った時期がモジュラーシンセが基本で、それをまとめて単体機として売ってたのがMini Moogしかなかったんだよね。
宮:そんなシンセの歴史と一緒に生きてきたベンさんが、この数年のモジュラーシンセブームで再注目したきっかけがあると思うんですが?
ベ:ずっと、いわゆる普通の音楽をやってきたんだけど、2000年に入ったぐらいに突然自分の中でそれまで書いていた様なPOPSみたいな曲を書くことがバカらしくなった。みなさんも作曲家だから分かると思うんだけど、仕事としてずっと曲を書いてると「こうすればお客さんがこういう反応をするだろう」とか見えてくるじゃない?それなりに作品として曲は書けるけど、それなりの人にしか反応されない感じが自分の中でダメになったんだよね。ビジネスベースだとやらなきゃいけない事を自分自信が肯定できてないというか。そこから、現代音楽のような自分で展開を読めないというか、覚えきれない曲みたいなのにハマりだして、ガジェットやモジュラーシンセにハマっていった感じなんです。
宮:そもそも、このブームのきっかけになった人とかがいるんですかね?
M:そうだよね、4~5年位前はそれこそFive-Gとかにしかなかったもんね。今はユーロラックとして、いろんなお店にあるようになりましたもんね。
ベ:僕が行けるなって思ったのが、数年前くらいから海外のいろんなメーカーが出てきたタイミングなんだよね。その頃に日本に入って来てたのって、Doepferとかじゃない?Doepferって良くも悪くも真っ当なシンセだから、個人的にはこれなら普通のシンセでも出来るしって思ってハマらなかったんだ。で、海外で盛り上がってきたタイミングで、現地のHPを見ながら見た目だけで、いわゆるジャケ買いしてみたりしてハマっていった感じです。
深澤(以降、深):そこは共感できますね~。やっぱり僕もここ数年の海外で面白い製品が出て来だしたタイミングですね。やっぱり最初に「モジュラーシンセーってこれかー」って、DoepferのA-100のシステムを買ったんだけど、全然何にも出来なくて(苦笑)高いし、大きいし、何にも出来ないし…って、いったん封印してたくらいです。だけど、海外でユーロッラックっていう規格でいろんなモジュラーが出だした時に、このDoepferも同じ規格なのかって。一番最初に買ったのがAnalog Systemsという会社のComb filterっていうモジュールで、使ってみたら一気に変態度が上がって(笑)海外の製品でデザインが奇抜だから、それこそジャケ買いの様に買っていって。デザインが奇抜なのに音が出ない…とかを繰り返して。当時、みんな同じDAWで同じシンセで、似たようなフレーズやプリセットでっていうのに聴き手も作り手も飽きてた時期だったと思うんですね。で、Ableton/Liveとかのソフトに活路を見いだした人もいた中で、ハードシンセを自然と選んだというか。そもそもモジュラーって、万人にウケることなんて考えて作られてないからいちいち奇抜で(笑)それが楽しくて集めている感じかな?変態系のプラグインを集めてる感覚に近いかもしれない。これでいい曲なんて書こうと思ってないし、いい曲書きたければDigitalPerformerとかでいいわけで。
ベ:集めちゃったから使おうってとこもあるよね(笑)
深:安い物ではないんで、買って音出ない…どうにかして使うぞってなるし。これが300円だったら音出ないなら捨てちゃおうってなるでしょ?
ベ:何とかして使うところで、そのモジュール本来の使い方じゃないけど面白い使い方が生まれてきたりするんだよね!そういう所がモジュラーシンセならではかなと。シンセって本来そうだったたのに、僕らがいつの間にか一体型のシンセに慣れちゃってたんだろうね。シンセなんて、むちゃくちゃ柔軟なものだったはずだから。
深:基本的に無茶しても壊れないから、やってみて音が出ないから次の穴に挿してみるみたいな。どこに何を繋いでも失敗がないというか。
ベ:一体型、つまり内部でセミパッチングされていると、ちゃんと弾くことしかできないというか。一方の方向にしか向かってない感じなんだよね。モジュラーシンセの方が有機的かなって。
宮:ありがとうございます。クリエイターサイドの二人に質問したいんですが、今回こうしてモジュラーシンセの世界を覗いてもらって、自分のシステムに入れてみたいものとか、こういうこと出来ると良いなっていうのはありましたか?
M:僕は、DoepferのDarkEnergyとKORGのSQ-1とPioneerのRMX-1000をライブのシステムに入れてるんですけど、やっぱりどこか決まった通りというか型にハマった使い方をしてしまっているので、それを打破したいなと。DarkEnergyだと内部で結線されているから、自分でコントロール出来ないとこが多くて、狙った音にならないんですよね。それはそれで面白いんですけど、それもモジュラーシンセでやったらもっと理解が深まっていくんじゃないかなと。
ベ:ワグルバグとかいいんじゃない?
M:なんだかんだグラニュラーとかグリッチとかがやっぱり好きなので、例えばリチャードデバイン辺りの予想だにしない音やとんでもない低音とか出してみたい。
3:自由度をつけたいよね。私は、その時のLiveでしか出せない音出したいなって思ってて。トラックはガッツリ組んであったりするんだけど、それにKORGのRADIASとその後にLine6のJM4 Looperに繋いでワザと潰してノイズにしたり、その場でマイクで拾った音をまとめてその場で突っ込んだりしてLiveをしてるんですけど、もっと遊びたいなって。
宮:344ちゃんは是非モジュラーをやるべきだと思うよ!方向性にめちゃくちゃあってるから!
M:いや~。絶対やるべきだと思うよ。
3:ユーロラックはすごい興味があります!
M:ところで、普段はどんな方とLiveとかやってるんですか?どうやって繋がっているのかなって。
宮:そうなんですよね。僕から見るとクリエイター系でモジュラーシンセを触っている人と、モジュラーシンセを中心にLiveがやっている人に接点がないのが不思議なんですよ。
M:こっちサイドでモジュラーをやってる人間って、やっぱり最近始めた人が多くて。
深:「Modular Cafe」とか、宮地楽器の「Modular Wonderland」とかのモジュラーシンセイベントをやってるよ。
ベ:僕とか深澤くんは自分でも動けるからまだ良いけど、モジュラープレイヤーが集まっている場所じゃないとLiveが出来ない人も多いから。仲間内でやっているというよりはそういう場を作っている感じかな。世間的には流行ってる感じがあるけど、早耳の人のアンテナに引っかかってるだけで世間的にはまだまだ。やってる側としてはまだまだ若いシーンで、どんどん場を作って行こうって感じですね。
M:その辺は僕らのシーンでも同じですね。
宮:それこそMergrimさんはいろんなオーガナイズをやられているから、そうやってお互いに絡んでいったら面白いじゃないかなと。
ベ:モジュラー軍団の殴り込みだ!是非やりましょう!
一同:(笑)
ベ:まず単純に導入したいなら、何かを買う買わないの前にお友達になりましょうよ!結局、周りに聞く人が居ないとなかなかこれ大変なんですよ。
深:そうなんですよ!買って「音出ねぇっす…」それで終わっちゃう。一人でやるにはかなりの気合と根性がないと。知っている人がいると、そんな単純なことが原因なのねってなる。だから、それはすごい大事なことだと思います。
ベ:まず仲間内になると、情報の交換や2軍落ちしたモジュールを貸し合ったりするのもありで、取り敢えず何を買えばいいのって感じでいると怖くて買えないよね。
3:いっぱいメーカーがある中で、私が一番興味があるとこってどこかなって考えると、コンパクトエフェクターがすごい好きだから、エフェクターもモジュールも作ってるメーカーがいいなって。
深:4MSとか、Malekkoとかいいかもね。
3:アメリカのメーカーですか?カリフォルニア熱い!
深:344の中では今カリフォルニアが熱い(笑)
一同:(笑)
ベ:みんな最初は怖いから小さめなケースを買っちゃうんだけど、絶対に大きめのケースを買うことを薦めます。絶対にすぐに足りなくなって、みんな後から困ってるもんね。
この後は、お互いのLiveに足を伸ばしたりしてお友達になりましょう! ということで、お疲れ様でした!
一同:お疲れ様でした!
まとめ
Linksシリーズ/モジュラー座談会をお送りして来ましたが、いかがだったでしょうか?
「モジュラーシンセってこんな感じ」っていうのが少しでもお届けできていれば幸いです。
mergrim(moph records,PROGRESSIVE FOrM,liquidnote)兵庫県出身の音楽家、光森貴久によるソロプロジェクト。
電子音楽レーベルmoph records主宰。
これまでにアルバムをソロ/ユニット/ライブ・リミックス盤などで4枚リリース。
downy、川本真琴、miaou等のリミックスの他、YMOのカバー集[YMOREWAKE]やGRANTURISMO6に楽曲提供。
企業のCIやWeb、CMなどにも楽曲を提供する作家でもある。
また、Sound&Recording MagazineにてCubase記事を短期連載やムック本への執筆なども行う。
ライブも都内を中心に精力的に活動。SonarSound Tokyo、DOMMUNEなどにも出演。
打楽器奏者Kazuya Matsumotoとのパフォーマンスは電子音楽の域を越えていると評判。
海外ツアーも2011上海、北京、2012ベルリン、ロッテルダム、ミュンヘンなどを敢行。
最新作はPROGRESSIVE FOrM x mophより”Hyper Fleeting Vision”をリリース。
7月にはそのリリース・パーティを13人の演奏家を迎え行い、成功を収めた。
そこで出会った仲間とともに”THE MERGRIM GROUP”を結成。更なる躍進へ望む。
愛媛県出身、東京在住。
電子音楽家。幼少より録音機器や楽器にふれ、独自の音創りをはじめる。容姿と相対する硬派なサウンドと鮮烈なヴィジュアルイメージで注目を集め、2013年待望の世界デビュー盤”Tough and Tender”(邂逅)をリリースし話題をさらった。その後も都内の大型フェスなどの参加や、ビジュアル面を一任するアートディレクターYU-KA TANAKAとのコラボ作品など勢力的に活動を重ね、今年2月”Masquerade”(邂逅)をリリース。また、鈴木光司原作 福田陽平監督のホラー映画「アイズ」、田中佑和監督長編映画「青春群青色の夏」などをはじめ様々な映画の劇伴をつとめている。
1973年より音楽活動を開始。大学在学中に恩師である故塩谷宏の紹介で故カールハインツ・シュトックハウゼンのレクチャーに参加するため渡欧、電子音楽と出会う。古くから都市構造に於けるサウンドデザインに興味を持っており、特に電気信号の可聴域と非可聴域との位相差による電子音の芸術的応用に着目した楽曲制作を行っている。近年では、ユーロラックと呼ばれるポータビリティに優れたモジュラータイプのシンセサイザーによるライブ・エレクトロニクスを頻繁に行っている。
主な仕事は、JR発着時ベルのジングル化考案及びプロトタイプ制作、東京芸術劇場他公共施設の劇場開演チャイムの作曲、NTT等大手企業のCM音楽制作、電気事業連合会、東京電力などのイベント用楽曲制作など。
電子海面は2010年、モジュラーシンセによるインプロビゼイション・パフォーマンスを行う電子音楽ユニットとして中山信彦と深澤秀行がスタート、その後2011年より第3のメンバーであるエンジニア永井はじめが加入し現在の形態に至る。
シンセサイザーは長い間鍵盤という付属機器に縛られ、既存の音楽形態の枠や商業的利便性に抑圧され本来の持つポテンシャルを封印されていました。そこで私たちはモジュラーシンセという形態に着目し、シンセサイザー本来の持つダイナミックかつ自由奔放な可能性を解放し、新しい音楽表現を模索することを始めました。電子海面のスタイルは2人のモジュラーパフォーマーとそれを空間に配置デザインする音響エンジニアの織りなす一夜かぎり、予測不可能な即興アートを目指しています。
2011年 現メンバーによるライブ活動開始
2012年 アニメ「惡の華」サウンドトラック録音、翌年「悪の讃歌」発売
2013年 Modular Synth Meetingをスタート
2013年 六本木Super-Deluxeに於いてSound Live Tokyo Fringe 2013 出演
2014年 Tokyo Festival of Modular 2014 出演
2015年 Red Bull Music Academy LOST IN KARAOKE 2015出演
2015年 代官山Air/NoMadに於いてTokyo Gathering of Modular2015 出演
日本のユーロラック・モジュラー・シーンで暗躍するModular geek。何もパッチングされていない状態からはじめるモジュラーシンセ演奏を得意とする。演奏だけでなく自らモジュールの作成や改造等も行ないアーティスト・エンジニアの二つの面を持つ。そして、やたら赤い。