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【シンセサイザー「ガチ試奏」展示企画】SEQUENTIAL 6シリーズ対決!!「OB-6」 vs「 Trigon-6」
RPM(Recording Proshop Miyaji)、シンセサイザー担当のOです。
今月11月の間、 シンセサイザー「ガチ試奏」展示企画の第一弾「SEQUENTIAL OB-6 vs Trigon-6」が開催されています。
店頭展示機による比較試奏のほか、当店が誇る最高のモニタリング環境「スピーカールーム」での試奏が可能ですので、是非ご来店ください。
詳しくは以下のページをご参照ください。
「シンセサイザー「ガチ試奏」展示企画を開催します!」
前回に引き続き、展示機をご提供いただいた有限会社 福産起業のスタッフのHさんに当店までお越しいただき製品についてお聞きしました。
当記事では、Hさんのレクチャーをもとに、両商品に共通する「SEQUENTIAL 6シリーズ」としての魅力、それぞれの違い、どのような方に向いているかといった点についてまとめました。
「SEQUENTIAL 6シリーズ」としての共通部分
「OB-6」「Trigon-6」はどちらも「SEQUENTIAL 6シリーズ」のラインナップに含まれる製品です。
「SEQUENTIAL 6シリーズ」は、ヴィンテージ・シンセサイザーを現代的にアレンジしたシリーズで、上記の2製品に加えて「Prophet-6」を足した3製品が現在のラインナップです。
各製品は共通で
- 6ボイスの同時発音数
- 高品質な49鍵キーボード
- コンパクトなボディサイズ
- 高品位なデジタル・エフェクト
- ポリフォニック・ステップ・シーケンサーと高機能アルペジエーター
といった特徴があります。
操作に関しては「1ノブ1機能」を基本としており、階層を潜って複雑な操作を行う必要はなく、ストレスフリーな音作りが可能です。
また、49鍵盤で10Kg弱の筐体は、個人差はありますが運搬や設置を一人で問題なくできるギリギリの大きさでもあります。
ハイグレードな音質や機能と、扱いやすさをバランスよく盛り込んだ「SEQUENTIAL 6シリーズ」は、音楽制作とライブの両方に対応できるため、スタジオで音楽制作用に作り込んだ音色をライブ先にそのまま持ち込める点が最大の魅力です。
この用に「SEQUENTIAL 6シリーズ」は、ヴィンテージ・シンセサイザーの豊かな音色と、現代シンセの扱いやすさを兼ね備えた非常に魅力的なシリーズなのです。
「OB-6」VS「Trigon-6」
「SEQUENTIAL 6シリーズ」はどれも高機能で、1台で様々な音色にアプローチが可能ですが、それぞれ得意とするサウンドやキャラがあります。
今回は「OB-6」と「Trigon-6」の特徴をそれぞれ解説したいと思います。
「OB-6」の特徴
「OB-6」は Prophet-5 と肩を並べて活躍した Oberheim シンセを「SEQUENTIAL 6シリーズ」として蘇らせた製品です。
本機の最も重要な特徴の一つにフィルターの特性を上げることが出来ます。
フィルターは「Oberheim SEM」をお手本にした2ポールのステイト・バリアブル・フィルターが採用されています。
また、マルチモードフィルターとなっており、LP-NOTCH-HP と、一つのツマミでフィルター特性を連続可変させることが可能です。
Prophet系シンセに用いられるフィルターに比べてフィルターカーブがなだらかなため、まろやかで落ち着いた音色が特徴です。
Prophet がハッキリと前に出るブラスやリード、ベースサウンドを得意とする一方、Oberheim は暖かなパッドサウンド等を得意としています。
また「X-MOD (クロスモジュレーション)」は、よりユニークなサウンドを作る際に有用な機能です。
Prophetの「ポリモジュレーション」に似た機能ですが、モジュレーションのアサイン先に「フィルターモード」がある点等が異なっており、前述したフィルター特性そのものをモジュレーションすることが可能です。
その他 SUB OSCの波形など、「OB-6」はProphet系と基本的な仕組に共通部分は多いものの、明確に異なったサウンド特性を持っています。
「Trigon-6」の特徴
3VCO(2VCO + 1LFO)にラダー・フィルターという構成から分かるように、「Trigon-6」はMoogの名機「Memorymoog」にインスパイアされた製品です。
上記の構成から生み出される力強いサウンドが他の6シリーズとの大きな違いの一つです。
ラダー・フィルターはレゾナンスを上げていくと音が痩せる特性がありますが、本機のフィルターはそのデメリットが緩和された改良型のラダーフィルターでもあります。
さらに、「Trigon-6」のフィルターは2/4のポール切り替えや自己発振が可能な他、「ドライブ/フィードバック・ノブ」によってフィルターへの入力音量を増加させることによるDrive効果や、「Trigon-6」の出力をフィルターへフィードバックさせることによる強烈な音色変化等、よりアグレッシブなサウンドを作ることが可能な設計になっています。
後段にはもう一つDrive回路が設けられているので、歪成分に困ることは無いでしょう!
他の「SEQUENTIAL 6シリーズ」には無い機能として、アフタータッチのアサイン先に「FX MIX」を選択できる点も挙げられます。
鍵盤を押し込むとディレイが深くなるように設定したり、大胆なパフォーマンスを行い際などに有用です。
この用に、「Trigon-6」は「Memorymoog」を基調としつつ、SEQUENTIALの操作性とアグレッシブな機能を盛り込んだ、非常に挑戦的な製品になっています。
対して「Trigon-6」はハッキリとしたパワーあるサウンドが特徴です。
比べてみると本当に面白いですね! pic.twitter.com/IneHxio5LU— 宮地楽器 (Wurly’s!)【シンセサイザー「ガチ試奏」企画実施中!!】 (@Wurlys_Miyaji) November 18, 2023
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は「SEQUENTIAL 6シリーズ」から「OB-6」と「Trigon-6」を抜粋し、それぞれの特徴と魅力を解説いたしました。
「OB-6」はシネマティックで幻想的なサウンドを求めている方に
「Trigon-6」はとにかく面白く力強いサウンドを追求したい方に
それぞれ向いていると感じました。
皆様のご参考になれば幸いです。
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