Review
Tegeler Audio 解剖シリーズ第一弾!1台でステレオEQ&COMPが搭載!即戦力「Creme」&「Creme RC」
Tegeler Audioとは?
安価なハードウェアや、プラグインソフトウェアのサウンドに満足できなくなりましたか?
それとも、質の悪いサウンドに対してもう耳が慣れてしまいましたか?
サウンドメイクの最後の一割をどうすればワールドクラスの品質に持っていくことができるでしょうか。
今あなたはようやく正しい場所、Tegeler Audio(テゲラー・オーディオ)に辿り着くことができました。
ある人はシンセサイザーの調整に一晩中時間を費やすでしょう。
またある人はマイクの位置をあらゆる場所に変えてみて徹底的に試すでしょう。
Tegeler Audioはマイクから入力された生の信号から完璧なサウンドを生むという作業に魅了され、実際に録音された時の感覚を再現しながら聴き手の心に届けるということを常に考えてきました。
エレクトロニクスは物理学の分野ですが、アーティストの音楽を完璧な領域に近づけるとなると我々のハードウェア設計も芸術の一部になります。 この情熱こそが、素晴らしい音楽を作るためにTegeler Audioが役割を果たそうとする原動力になっています。
Tegeler Audioのホームページ
彼らのメッセージに対する私なりの解釈ですが
まず、アウトボードユーザーは以下の三世代に分けることが出来ます。
- アウトボード機器しかない時代を経験した、最初の世代
- 実機を導入しつつも、プラグインの登場と進化もリアルタイムで経験してきた世代
- プラグインの導入が当たり前で、気に入った製品の実機に興味がある世代
私は①の最後から②の辺りがどんズバな世代になります。
同じ製品について聞いた際、世代によってイメージする音が違ってくるのは、この様な世代間の経験の差があるためです。
アウトボードに詳しい方なら、10数年程前にもTegeler Audioが一時期話題になったことをご存知かもしれません。当時はTubeTechのコピーのような製品や、ノブ自体が動くリモコンのプロトタイプ等があり、NAMM の会場でもシンセコーナーとアウトボード境界くらいにそんなメーカーが居たな〜くらいの印象でした。
最近まで日本で流行らなかった理由は、①や②の世代の人からすると「やや薄味=欲しくなるほど特徴がない」という印象だったと推測しています。
現在に比べて録音機器(いわゆるインターフェイス等)の質も高くなく、当時の音楽の流行り的には高い音圧で音数の多いトラックがもてはやされていたため、濃くて強い音がする機材が求められてたんだろうなと思います。
しかし、当時の濃くて強い音がする機材(個性が強い機材)が、③の世代には濃すぎて扱いが難しく捉えられたりしてるように感じることがあります。マイクやスピーカーの流行りの移り変わりも同様で、マイナーな機材が急に評価されて流行り出したり、大定番の機材が③の世代には受けなかったりします。
Tegeler Audioは、プラグインが既に普及した状態から音楽をスタートした③の世代の好みにあった「程よい濃さで、確実にプラグインよりも仕上がりのレベルが上がる」丁度良い製品を多く取り揃えた、現在急成長中のブランドなのです。製品ラインナップや説明をみていると、真摯に様々なニーズと向き合っているメーカーだなと感じます。この特徴は、この2〜3年で一気にシェアを伸ばしたIGS社の製品とも共通するポイントだと思います。
本記事第2弾でご紹介予定の「Vocal Leveler 500 Opto Compressor」は某EUのメガストアが発表した500シリーズコンプ部門で2022年のベストセラーにもなっており、この2〜3年で著名クリエイターやエンジニアのinstagram等で見かけることが増えてきてます。
その効果もあり、国内初回入荷分はなんとあっと言うに「完売御礼!」
ほとんどの人が聞いたことなかったであろうメーカーの製品が、店頭試聴と口コミだけでこの様なスピード感で浸透していくのも面白いものです。
Tegeler Audio 解剖シリーズ第一弾!1台でステレオEQ&COMPが搭載!即戦力「Creme」&「Creme RC」
最近RPM店頭でよく見かける特徴的なアウトボードブランド「Tegeler Audio」社の製品を順番にご紹介させて頂きます。
本シリーズ第一弾はPultecスタイルのパッシブEQとVCAバスコンプレッサーを1つのステレオデバイスに組み合わせたCreme(クリーム)です。(※Tegeler Audioの製品で語尾に「RC」が付くモデルは、専用のプラグインとLANケーブルでリモートコントロールができるタイプになります。)
なぜ前述の「Vocal Leveler 500 Opto Compressor」第一弾じゃないのって思う人も居ると思いますよね。
正直なところ、「Vocal Leveler 500 Opto Compressor」は勝手に売れていく「スター機材」で、Tegeler Audioの他の良質な商品も是非知っていただきたい点に加え、「Vocal Leveler 500 Opto Compressor」は500シリーズで、シャーシの用意が必要であったり心のハードルが少し高いため、「Creme」&「Creme RC」を先にご紹介させていただきます。
先述の「PultecスタイルのパッシブEQとVCAバスコンプレッサーを1つのステレオデバイスに組み合わせた」点は、非常に重要なポイントです。
ステレオのコンプレッサーやEQは、各々が2Uサイズくらいで販売されているのが一般的で、もちろん販売価格も各々かかります。また、物理的に設置に必要なサイズや重量も2台分です。
この様な高い利便性に加えて、積極的に使いたくなるサウンドとシンプルな操作感が素晴らしいです。
Creamの詳細
細かいスペックは置いておいて、本製品のポイントは2つあります。
- SSL系バスコンプ搭載。音を大幅に変えずにしっかりとまとまり、音と音の隙間をくっつけてくれるGURU感。
- 伝説的なPultecスタイルと思いきやブーストのみの潔さよさ。強めにブースとしても自然な感じに仕上がる丁度いい薄味感。
EQとCOMPは順番を入れ替えることができますが、個人的には「コンプでまとめた後、若干落ち着く低音と高域をEQで追加する」形が使いやすいかと思います。Creamでオケの大枠を決めて、中の音を他の機材やプラグインで作り込んでいくワークフローが向いているかもしれません。
サウンドサンプル
「そろそろ音を聞かせろ〜」といった声が聞こえてきてますので、若干ですがサンプルを用意してみました!
大幅な変更は避け、Dryになるとフッと寂しくなるような設定のため、ある程度以上のスピーカーやヘッドホンで試聴されることをお薦めします。
サンプル短いな〜、もっと聴きたいな〜、実際に触ってみないとわからないな〜、
そんな皆様。是非是非RPMの店舗にお越しくださいませ!
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