こんにちは! RPMスタッフの KF です!

今回は言わずと知れたステージキーボード、Nord Stage 4 を少し違った目線でご紹介したいと思います。

キーボーディストであれば一度は憧れるブランド、Nord。かくいう私も中学高校時代はジャズピアニストの上原ひろみさんに憧れ、コツコツ貯めたバイト代で当時の彼女と同じモデル、中古のNord Lead 2を購入し、ステージ上で頭を振り乱しながらソロ演奏に明け暮れたものです。

 

大活躍するのはステージだけじゃない?制作現場におけるNord Stage 4

ステージでのNordの魅力は実際のプレイヤーの方々のインタビュー等含め語り尽くされてるところでしょう。今回はレコーディングプロショップらしく「制作機材としてはどうなの?」、そんな珍しい視点でこのキーボードを掘り下げてみたいと思います。

Nord Sample Libraryの驚くべき充実度

Nord Stage 4 はオルガン、ピアノ、シンセの独立したエンジンを搭載し、ステージに必要な幅広いサウンドを提供します。

しかし、さらに注目すべきは無料で利用することができるNord Sample Library、このラインナップがすごいんです。

オーケストラ音源のトップブランド「Spitfire Audio」とのコラボ

劇伴・映画音楽向けの「ProjectSAM」のシネマティック音源

ビートルズなどの名曲でも活躍した「Mellotron」サウンド

なかなか豪華じゃないですか?デモプレイと共に順番に紹介していきましょう。

Spitfire Audio – Strings Quintet

高品質な弦楽5重奏ライブラリ。きめ細やかな表現力を持ち、スケッチから本番まで幅広く活用できます。

 

ProjectSAM – Symphobia、Swing

伝統的なオーケストラライブラリよりもシネマティックな味付けのライブラリで、壮大なストリングスを即座に演奏可能。映像制作のイメージ作りにも最適です。

 

Mellotron 

伝説的テープサンプラーMellotron。

その最新モデルMkVIと、未使用のテープヘッドストックを使い、1960年代当時のメロトロンに内蔵されたテープ音源を再収録。

ビートルズやキング・クリムゾンの名曲でも使われた独特の味わいを手軽に再現できます。

 

いかがでしたでしょうか。本レビューでは特筆すべきコラボレーション音源に絞って紹介させていただきましたが、Nord Sample Libraryにはほかにも多彩なサウンドが無料で提供されており、アイディア段階から本格制作まで、さまざまな音楽制作シーンをサポートします。

音色を「作りこむ」のではなく「プレイする中でインスピレーションを形にしていく」ワークフロー

Nord Stage 4を制作機材として見る際に特筆すべきは

  • バンドや劇伴系制作を網羅する高品質なサウンドライブラリ
  • 統合された最高峰のハードウェア
  • レイテンシーなし

これら3点を両立している点です。
もちろん音源単体で見れば重量級プラグインの方が高い表現力を持っているでしょう。ですがそれをピアノロールで打ち込み、パラメータを編集して演奏を整えていく作業はなかなか膨大です。MIDI鍵盤を使うにしても、容量が大きいほどレイテンシーの影響を受けやすく、鍵盤と音源のベロシティ感度の関係性に慣れや調整が必要になることもあります。

Nordのサンプルエンジンはベロシティレイヤーが1つとシンプルなものですが、独自のロスレス圧縮技術、フィルター/エンヴェロープ調整により軽量でありながらプレイ時の高い表現力を実現しています。
新しく採用されたトリプルセンサー鍵盤や、同じ鍵盤を連打した際都度微妙に異なるサンプルを再生するラウンドロビン機能など、ハードウェア面も大きく進化しており、実際の試奏でもその表現力を体感することができました。
新搭載のシンセ、Nord Wave 2エンジンも前モデルのバーチャルアアナログにさらにFM、ウェーブテーブルなどを追加した強力なものでありながら、こちらも音をがっつり作り込むというよりは、ユーザーが即戦力となる音を素早く作れるシンプルなルーティング、操作系になっています。

これらの仕様は全て、長年ステージキーボード開発で培った”パフォーマンスのための楽器”という一貫した設計コンセプトからくるものです。

そしてこの仕様は制作にも大きな影響を与えます。アイディアが湧いた瞬間にそのまま演奏、レコーディングに移行できるフットワークの軽さは制作のインスピレーションを加速する要素になります。
Nord Stage 4は、弾いて録音しながら、ダイレクトに楽曲を組み上げていくワークフローを実現します。

Nord Stage 4 どんな人に向いてる?

向いている人

  • ライブでも制作でも、一貫したサウンドを使いたい人
  • バンドアレンジや劇伴など、即戦力の音でアイデアを固めたい人
  • MIDI打ち込みではなく、演奏しながら作曲したい人

向いていない人

  • 特定の機能、音色をとことん突き詰めたい人
  • 最高峰のピアノ音源とタッチを提供するキーボードが欲しい→以前ブログでご紹介したDexibell/S8Mなどがオススメ!
  • シンセの音作りを深く追求したい→RPMで展示中のSequential/Take 5Moog/Messengerなどがオススメ!
  • オーケストラ・シンセストリングスを細かく調整したい→本家Spitfireや、SWAMのようなエディット性の高いプラグインとじっくり向き合う方が理想に近づきやすい

まとめ

いかがでしたでしょうか。Nord Stage 4、高額ではありますが、多機能でありながらそのどれもがプロの道具としての水準を高いレベルで満たしているため、このように別の角度で掘り下げても新しい魅力が見えてくるキーボードです。

一方で、何ができて何ができないのか、改めて見えてきた側面もあると思います。本レビューがNord Stage 4に興味を持つ方々にとって、実際自分に必要なものなのか、自分のスタイルにはもっと別な選択肢がハマるのか、そんなことを具体的に考える一助となれば幸いです。

 

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