歌声合成エンジンを一新!初音ミクNT(Ver.2)の魅力を語る。
皆様、こんにちは宮地楽器RPMの「のすけ」と申します。
今回クリプトン・フューチャー・メディア株式会社様より初音ミクV4Xや初音ミクNT(Ver.2)をご提供いただきまして記事を執筆させていただいております。
さてご紹介しますのは、VOCALOIDとしてお馴染み「初音ミク」の次世代ソフト
「初音ミクNT(Ver.2)」
です。
初音ミクをご存じでない方に向けて大まかですがご紹介させていただきます。
1.初音ミクとは?
クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が開発した、歌詞とメロディーを入力して誰でも歌を歌わせることができる「ソフトウェア」です。
日本のみならず、世界で活躍するバーチャルシンガーとして有名です。
この初音ミクというキャラクター以外に「鏡音リン」「鏡音レン」「巡音ルカ」「MEIKO」「KAITO」などを含めて
「ピアプロキャラクターズ」と総称して呼ばれています。
※ピアプロとは、創作の連鎖という意味合いもあるそうです。
(引用)
https://piapro.net/pages/character
2.VOCALOIDを深堀りしよう
2-1.VOCALOIDとは?
巷で「ボカロ」と呼ばれるものは一体何なのか触れておきましょう。
「VOCALOID(ボーカロイド)」通称ボカロは、コンピュータやスマートフォンなどを使用して歌詞とメロディーを入力するだけで、歌唱を作り出せる技術のことを呼びます。
人間そのものを収録した「歌声ライブラリ」と、歌唱編集ソフト「VOCALOIDエディター」を活用していると、前知識で知っておくと全体を理解しやすいかもしれません。
つまり「ピアプロキャラクターズ」はVOCALOIDの歌声ライブラリにあたります。
2-2.VOCALOIDと初音ミクの歴史
さて、ここまで初音ミクとVOCALOIDについて軽くご紹介させていただきました。
実際に購入するぞ!となった時に目にする単語があります。
それはキャラクター名のあとに続く「V3」「V4X」「NT」というキーワードです。
ここでVOCALOIDと初音ミクの歴史を辿っていきましょう。
VOCALOIDと初音ミクの歴史
ざっとまとめてみましたが、VOCALOIDは登場から20年を超えているんですね。驚きです。
初音ミクも「初代」「V3」「V4」「NT」と時代の変化とともに進化していることがお分かりいただけたでしょうか?
(引用)
https://www.vocaloid.com/anniversary/voicebank/
3.初音ミクV4XとNTって何?違いは?
ここからは本章のテーマである「V4X」と「NT」の違いについてお話します。
・「CRYPTON/初音ミク V4X (incl. ENGLISH)」
「V4X」は2016年発売の音声ライブラリです。
初音ミクの声を聴いたことのある方は、この機械音声らしさが最も印象にあるかもしれません。
本製品にはE.V.E.C(イーベック)機能と呼ばれる、
今までのVOCALOIDでは実現が難しかった、細やかな声(母音)の表情付けや、発音の切り替え、吐息の抜き方の設定が可能となり、VOCALOIDの歌声をクリエイターのイメージするダイナミックな歌唱表現に近づけることができました。
データベースは「ORIGINAL」「SOFT」「SOLID」「DARK」「SWEET」「ENGLISH」から選択可能です。
Piapro Studio画面
●CRYPTON/初音ミク V4X (incl. ENGLISH)ダウンロード版
・CRYPTON/初音ミク NT(Ver.2) / BOX
「NT」は2020年発売の音声ライブラリ、新開発のボイスエフェクターでより多彩なデザインが可能になりました。
全ての声の素片は、発音の乱れや破綻が無い様、子音と母音の繋がりを解析しサウンドが調整されています。
各データーベースは、マルチサンプルポイントと発音が調整されており、
声の「強弱・柔らかさ」など表情を実現するVoice Colorもユーザーの好みで設定可能です。
4.初音ミクNT(Ver.2)に!
と、いうわけでここからが本題。
初音ミクNT(Ver.2) では、
「“初音ミクらしさ”の追求」をコンセプトに掲げ、クリプトンが独自に開発した新しい歌声合成エンジンを採用した上で、より自由な歌唱表現を可能とする機能を追加しました。
既存の歌声合成エンジンを丸ごと変更したとのこと。
そして、好みの歌わせ方を簡単に実現する支援機構として「Automatic Control」が搭載されました。
歌唱スタイルやニュアンスなど、あらかじめ用意された項目を選択するだけで、歌い方や声色を変えることができます!
「Automatic Control」
データベースは「Original DB++」「Dark++」「Whisper++」から選択可能です。
「Original DB++」
新エンジンに最適化された、初音ミクらしい可愛げのある歌声。Voice Colorによる声の強弱など表情付も可能
「Dark++」
新エンジンに最適化された、落ち着いた声色の儚げな歌声。複数のVoice Colorによる声色の表情付も可能
「Whisper++」
新エンジンに最適化された、吐息成分の多く可愛らしい歌声。複数のVoice Colorによる声色の調整も可能
「初音ミクは持ってても作曲はどうすればいいの?」という、そこの貴方に朗報。
すぐに音楽制作を始められる充実の同梱ソフトウェアが付属します。
目指せボカロP!
・CUBASE LE
直感的な操作でリズムやメロディーを編集可能なDAWソフト(音楽制作ワークステーション)です。
・HALION SONIC&GROOVE AGENT SE
音楽制作のための数百種類の楽器を用意。様々なジャンルの楽曲を制作できます。
(引用)
https://ec.crypton.co.jp/pages/prod/virtualsinger/mikunt
5.実際に声を比較して聴いてみよう!
機能面については以上になります。
文面でお伝えしてもNT(Ver.2)の凄さは伝わらないかと思いますので、実際に声を比較してみましょう!
初音ミク公式チャンネルにてデモ曲が公開されています。
『初音ミク NT (Ver.2)』歌声デモンストレーション
本記事では、「Automatic Control」を使用した声質変化を見ていきましょう。
全てベタ打ち(手動補正)はしていません。(初音ミクV4Xも比較用に載せておきます。)
・初音ミクNT(Ver.2)_シンプル・バーチャル・ビブラートなし
・初音ミクNT(Ver.2)_ナチュラル・ニュートラル・自然なビブラート
・初音ミクNT(Ver.2)_アグレッシブ・ダイナミック・豊かなビブラート
・初音ミクNT(Ver.2)_ナチュラル・ダイナミック・豊かなビブラート(個人的に好みの設定)
・初音ミクV4X_デフォルト
6.総評
いかがでしたでしょうか?
初音ミクNT(Ver.2)は低域がしっかり出ており、人間が歌ったデータのように処理がしやすい印象を受けました。
何よりも「Automatic Control」が凄い!!自動なのに、ここまで豊かなビブラートと音と音の繋がりを表現できていますね。
私が運用するのであれば、V4XとNT(Ver.2)は好みによって使い分けるかもしれません。
昔ながらの機械音声らしい初音ミクが欲しいなら「V4X」、簡単に自然かつより人間に近い初音ミクが欲しいなら「NT(Ver.2)」と選んでみるのもありなのではないでしょうか?
皆さんもボカロ始めましょう!!
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