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モジュラーシンセ と DAW の架け橋!! – Bitwig Connect 4/12 活用法 3選 Reviewed by Staff ON
こんにちは、RPM(Recording Proshop Miyaji)スタッフの ON です!
本日は、オーディオ/CV/MIDI入出力、モニタリング/DAWコントロール機能を備えたオールインワン・ソリューション 「Bitwig Connect 4/12」のレビューをさせていただきます!
記事後半では、動画も交えて Bitwig Connect 4/12 とモジュラーシンセを組み合わせた使い方を3つご紹介します!
モジュラーシンセとDAWの架け橋 「Bitwig Connect 4/12」
Bitwig Connect 4/12 は、オーディオ/MIDIインターフェース、モニター、DAWコントローラーの3役をこなす革新的なオールインワン・ギアです。
360°タッチセンサー式ダイヤルは、インタフェースのボリュームコントロールの他、DAW内のパラメーターやソフトウェアのコントロールが可能で、「Bitwigモード」を起動すれば、マウスオーバーさせた Bitwig 内のパラメーターを Bitwig Connect のノブから簡単にコントロールできて便利です!
表面右側のモニターセクションには、「MONO」「ALT」「DIM」のボタンがありモニターとしての機能も充実しています。
一番の特徴は、表面にオーディオ/CV兼用DCカップリング入出力が設けられている点で、端子が 3.5mm モノラル ミニプラグとなっており、モジュラーシンセのDAWを連携させるのに最適な設計となっています。
DAW メインの制作環境にモジュラーシンセを導入する方法
モジュラーシンセを用いた音楽制作を考える際、「DAW からモジュラーシンセを制御したい」と思いますよね。
DAW内のピアノロールから直接モジュラーシンセを演奏したり、オートメーションを用いてモジュールを細かくコントロールしたり出来るため、DAW からモジュラーシンセを制御するアプローチは、音楽制作の上で非常に便利で有用であると言えます。
DAW メインの制作環境にモジュラーシンセを加えるには、以下のような方法が考えれます。
1.MIDI to CV Converter モジュールを使う
「MIDI to CV Converter」と呼ばれる種類のモジュールをケースに組み込めば、DAW 内のMIDI信号を CV/Gate に変換して出力することが出来ます。
MIDI信号を起点にすることで、DAW 内のMIDIトラックやハードウェアシーケンサーからモジュラーシンセをコントロールすることができるため、手軽にセットアップ出来る点が魅力です。
ただし、オーディオのやり取りには別途オーディオインターフェイスが必要になる他、コントロール信号は MIDI から CV への一方通行であるため、モジュラーシンセからDAW内のパラメーターをコントロールすることは出来ません。
※上記の方法を可能にするには、CV/Gate を MIDI に変換する「CV to MIDI Converter」といった、少し珍しい機材が必要になってしまいます。
2.DCカップリングに対応したオーディオインターフェイスを使う
「DCカップリング」に対応したオーディオインターフェイスは、オーディオに加えて CV/Gate 信号を入出力信号として扱うことが出来ます。
Ableton Live の「CV Tools」や、BITWIG の「HW CV」系デバイスといった、PC内でCVを扱える専用のソフトやアプリが必要となり、ハードルが少し高めではありますが、MIDI信号による制限を受けないため、より滑らかで緻密な、自由度の高いコントロールが可能になります。
さらに、特殊なセットアップを足すことなく、モジュラーシンセからDAW内のパラメーターをコントロールすることが出来ます。
「Bitwig Connect 4/12」のメリット
DCカップリング対応のオーディオインターフェイスの中でも、特にモジュラーシンセとの相性が良いのが Bitwig Connect 4/12 です。
・モジュラーシンセのパッチケーブルをそのまま使える、3.5 mm TS アンバランス(ミニフォン) 入出力を搭載 (In 2個、Out 4個)。
オーディオインターフェイスの入出力コネクタには、一般的に TRS もしくは XLR のバランスコネクタが用いられます。
一般的なDCカップリング対応のオーディオインターフェイスの場合、CVの入出力が可能であっても、これらのコネクタをモジュラーシンセに用いられる 3.5 mm TS アンバランス(ミニフォン) に変換する必要がありますが、Bitwig Connect 4/12 はパッチング用の入出力を予め搭載しているため、お持ちのパッチケーブルをそのまま使用できます。
もちろん、TRS バランス入出力も備えているためスピーカーやヘッドフォン、他機材との接続性も抜群です。
・モジュラーシンセのコントロールに十分な出力電圧と、入力可能電圧。
シンセやスピーカーに用いられるラインレベル信号に比べ、モジュラーシンセで用いられる信号は非常に高い電圧を持っています。
DCカップリング対応と謳っているオーディオインターフェイスでも、出力レベルが足りずにモジュールを十分にコントロールが出来なかったり、CV の入力電圧に耐えきれず破損といった場合が考えられます。
Bitwig Connect 4/12 は入出力共に十分な電圧仕様となっており、安心してモジュラーシンセと接続することができます。
「Bitwig Connect 4/12」活用法 3選
Bitwig Connect 4/12 とモジュラーシンセを実際に繋げて、いくつかの使い方を試してみました!
モジュラーシンセ側の仕様機材は以下の通りです。
・Erica Synths / Pico Case (電源付き小型ケース)
・Noise Engineering / Debel Iteritas Alia (シンセボイス・モジュール)
・Noise Engineering / Desmodus Versio (リバーブ・モジュール)
・Acid Rain Technology / Maestro (クロックに同期可能な、LFOモジュール)
電源付き小型ケースの Erica Synths / Pico Case と Bitwig Connect 4/12 を組み合わせることで、非常にコンパクトな DAW &モジュラーシンセのセットアップになりました!
DAW 環境に足したい要素だけを用意すれば良く、少ないモジュール数でも有効活用しやすい点が、DAW &モジュラーシンセ環境のメリットの一つですね!
1.Bitwig 内のシーケンスでモジュラーシンセを鳴らす
Bitwig Connect 4/12 を経由し、Bitwig 内の MIDI クリップから Noise Engineering/Debel Iteritas Alia を鳴らしました!
「HW CV Instrument」を用いれば、プラグイン・シンセのように簡単にモジュラーシンセを扱うことが出来ます!
OUT 10(青)→Pitch、OUT 11(赤)→Trig、OUT12(黄色)→Index とパッチングし、エフェクターを通過した後に IN 3&4(黒)からステレオで返しています!
右下のボタンで「Bitwigモード」を起動すれば、マウスオーバーさせた Bitwig 内のパラメーターを Bitwig Connect のノブから簡単にコントロールできて便利です!
2.Bitwig 内のオーディオにモジュール側のエフェクトをかける
Bitwig Connect 4/12 を経由し、Bitwig 内 のオーディオクリップに対して、Noise Engineering/Desmodus Versio のリバーブエフェクトを使用しました!
「HW FX」を用いれば、プラグイン・エフェクトのように簡単にモジュラーシンセを使用出来ます!
OUT 11&12(赤&青)→Input、OUT10(黄)→Tone とパッチングし、IN 3&4(黒)からステレオで返しています!
3.Bitwig 内のインストゥルメントを外部CVでモジュレーションする
Bitwig Connect 4/12 を経由し、Acid Rain Technology/Maestro のLFO信号で、Bitwig 内シンセの Cutoff を動かしました!
Bitwig はデバイスの横にモジュレーション・セクションがあり、そちらで選択できる「HW CV In」を使えば、外部CVを簡単にアサイン出来ます!
Maestro はクロックに同期したLFO信号を送れる仕組みとなっているため、「HW CLOCK OUT」を用いて OUT9(緑) から Maestro へアナログ・クロックを送信し、生成されたLFO信号を IN4(黒) に返すセットアップにしました!
まとめ
以上、Bitwig Connect 4/12 の紹介でした!
モジュラーシンセとの併用を念頭に設計された Bitwig Connect 4/12 は、まさに DAW とモジュラーシンセの架け橋となる様な機材でした!
宮地楽器RPM には、Bitwig Connect 4/12 とモジュラーシンセの両方が展示されていますので、是非ご来店ください!
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