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試してみた!「ドラムマイク10種類聴き比べ!キックマイク編」
試してみた!「ドラムマイク10種類聴き比べ!キックマイク編」
自宅ではどうしても難しい生ドラムの録音。生ドラムの録音だけはスタジオに入って行うという方も多いのではないでしょうか?
ドラムのレコーディングで皆さんお悩みなのがドラムのマイクってどれも多くてなかなか聴き比べができない…
そこで今回は特別企画!各メーカーが誇るキック用マイクを10種類聴き比べをお届けさせて頂きます!
それでは早速いってみましょう!
キックマイク10種類を比較!
今回の企画の為に用意したマイクは全部で10本。キック用のマイクもしくは、専用マイクではないがそれに準ずる機種をそれぞれピックアップしました。どのマイクも音、機能などそれぞれ個性があり、素晴らしいマイクばかりです。
試聴機材
■DAW:Pro Tools
■オーディオI/O:UNIVERSAL AUDIO/Apollo x8p
■マイクプリ:Apollo x8p内蔵マイクプリにUAD-2 Neve 1073 Channel AmplifierをUNISONプラグインとして使用
素材はドラムのキックをBPM=120にて8小節を機材ごとにアップしております。
※各マイクの音質を純粋に判断するため、音量自体は大まかに揃えましたが、音質の変化を避けるため、音圧をあげるような機材(コンプ、リミッター、マキシマイザー等)は入れておりません。予めご了承下さいませ。
audio technica/ATM25
まずは定番中の定番、audio technica/ATM25からご紹介します!
コンパクトな筐体で取り回しもよく、バスドラムの穴がどこから空いていてもマイキングしやすく、
ハイパーカーディオイドの為カブリも少ないです。音質もハイ上がりな傾向の為、アタックを収録する際に重宝する、といった具合に定番たりうる理由が数多くあるマイクです。
またアタックが得意なだけでなく、キックの距離を多少工夫すれば肝心なローエンドもしっかり収録できる素晴らしいマイクです!
audio technica/AE2500
同じくオーディオテクニカよりコンデンサーマイクとダイナミックマイクを一つの筐体に搭載した斬新なマイクです。
とはいえ、キワモノ的な事は全くなく、通常だとコンデンサーとダイナミックを2本立てる場面がありますが、その際に発生する位相のずれが本機には無く、ぼやけた音像になることがなくしっかりとしたキックを収録できるマイクです!ダイナミックマイクとコンデンサーマイクの出力がY分岐のマイクケーブルで分けて出力が可能です。
なおTrack1はコンデンサー、Track2はダイナミックの音となります。
AKG/D12 VR
こちらもキックマイクの定番のひとつ「D112」擁するAKGより「D12 VR」のご紹介です。
ダイヤフラムは非常に薄いタイプを使用し、レスポンスの早いサウンドが特徴です。さらに本機の大きな特徴がファンタム電源を供給することにより、3つのモードのアクティブフィルターが使用できる点にあります。
■オープンキックドラム・・・・・ 中域を減衰して低域を持ち上げ、パワー感を強調。
■ヴィンテージサウンド ・・・・ 中域を減衰して他の楽器とのバランスを良好に保持。
■クローズドキックドラム ・・・・ 中域を減衰して低域と高域を持ち上げ、存在感を強調。
これにより様々なシーン、プレイヤー、ジャンルを問わず活躍してくれそうなマイクです。
試聴トラックですが
■Track1:アクティブフィルターなし
■Track2:アクティブフィルターあり、オープンキックドラムモード
■Track3:アクティブフィルターあり、ヴィンテージサウンドモード
■Track4:アクティブフィルターあり、クローズドキックドラムモード
になります。
Ehrlund/EHR-D
スウェーデンのメーカー「Ehrlund」より最小サイズのコンデンサーマイクです。
同メーカーの大きな特徴の「トライアングル・カプセル・メンブレン」を搭載しクリアーかつ素早いレスポンスの低域を提供します。ATM25より小さい筐体でさらに取り回しも良く、キックに対して目立ちにくいのでライブなどでも活躍してくれそうなマイクです!
Roswell Pro Audio/Mini K47
南カリフォルニアに拠点を置くRoswell Pro AudioのNEUMANN U47にインスパイアされたコンデンサーマイク。
写真だと分かりづらいかもしれませんが、小さい筐体にU47と同サイズのフラムを搭載しているのがポイント。
自分が普段キックを収録する際オフマイクにU47 FETを立てるのがお気に入りなので個人的にも気になる一本です!
LEWITT/DTP 640 REX
オーストリアのマイクメーカーのLEWITTからは「DTP 640 REX」をチョイス。
こちらはAE2500と同様にダイナミックマイクとコンデンサーマイク両方が1つのユニットに収められていますが、さらに、
■何も処理をしないフラット
■ダイナミックマイクだけをエンハンスするモード
■ダイナミックとコンデンサ両方をエンハンスするモード
以上の3種類から選ぶことができるのが特徴のモデルです。
今回はすべてフラットモードにて収録
■Track1:ダイナミック
■Track2:コンデンサー
になっております。
TELEFUNKEN/M82
本マイクの特徴はダイナミックマイクで350Hzを中心とした低中域周波数の一部をカットし、ローエンドを強調する「KICK EQ」、アタックを強調し、空気感を演出する「HI BOOST」を装備しています。
Morton Microphone Systems/KICK TONE
アメリカのメーカーMorton Microphone Systemsのダイナミックマイク。
軽い特注ヘンプ製ダイアフラムを持ち、高域トランスデューサーが補うことでレンジの高い素材を収録することができます。
筐体はそれなりの大きさですがボールジョイントを搭載しているので自由度の高いマイキングをすることができます。
sE ELECTRONICS/V KICK
sE ELECTRONICSからはV KICK。
本機もコンパクトなダイナミックマイクでコネクター部も取り回しを考慮されており、非常にマイキングが楽なモデルです。
さらにマイク背面にある2 つのスイッチを使うことでクラシックな音色からモダンなロックサウンドまでさらなる音創りも行える懐の深いマイクです。
SOLOMON MICS/LFRQ
大型6.5インチドライバーを用いたローエンド専用ダイナミックマイクです。
昔のレコーディング現場ではローエンドを収録する手法としてスピーカーをマイクとして使用する事があり、それをマイクとして製品化したのが本機です。他の製品と違うのは本機はアタック部分は他の製品に任せ、ローエンドに特化しているところにあります。とてもシンプルな製品ですが、ケーブルのコネクター部分など取り回しの良さもポイントです!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ブログを書いている筆者自身が「キックマイクだけでこんなに種類があるのか…」とびっくりするほど各マイクメーカーよりリリースされているんですね。
個人的に気になったマイクですが、タイトな音質ながらミッドをしっかり収録できるsE ELECTRONICS/V KICK、3つのアクティブフィルターを装備し、ジャンル問わず使えるAKG/D12 VR、1本のマイクながらダイナミック、コンデンサーを位相がずれること無く収録できるaudio technica/AE2500、LEWITT/DTP 640 REXなどはすぐに実戦投入しても効果を発揮できるマイクだと感じました。
こちらの記事が少しでも皆様のキックマイクを選ぶ際の参考になれば幸いです。
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※取り扱いがない製品は類似製品を掲載しております。
製品・販売価格一覧
●audio technica/ATM25
●audio technica/AE2500
●AKG/D12 VR
●Ehrlund/EHR-D
●Roswell Pro Audio/Mini K47
●LEWITT/DTP 640 REX
●TELEFUNKEN/M82
●Morton Microphone Systems/KICK TONE
●sE ELECTRONICS/V KICK
●Avantone/KICK
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